2013/12/27
手術の日 PHS
長い一日が始まった。
僕の首には渡されたPHS電話。
緊急の時や術後の呼出しに使うので
病院内にいて下さいと念を押された。
家族控室は息苦しかったので、
病院の中を行ったり来たり歩いていた。
手術の日 ガン細胞
昼頃に最初の呼出しがあって、カンファレンスルームに行った。
大腸がんの摘出が終わって、そいつはそこにいた。
五百円玉ほどの大きさで毒々しい色だった。
君の身体を蝕んだ病巣を睨みながら医師の説明を聞いていた。
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2013/12/24
手術の日 始まり
12月6日の朝8時に、君の病室に行ったけど
最初の仕事は、持ち込んだ私物の整理だった。
手術後に部屋が代わるので
全て持ち出すようにとのことだった。
その時君は、既に手術着に着替えて、点滴を受けていたね。
手術の日 手術室
時間になると君と一緒に手術室に向かったね。
手術の前に麻酔などの前処置があると言うことだったけど
僕が一緒に行けるのは、手術室の前まで。
他に言葉が見つからなかったので
ただ、君の目を見て頷くしかなかった。
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2013/12/21
入院
この日の記憶は鮮明ではないんだ。
受付を済ませて外来待合室で待機した後に病棟に行ったんだよね。
最初は病室の出入り口に近いベッドだったので
窓際が空いたら移りたいと話していたよね。
この日から僕の一人暮らしが始まった。
義父さん
義父さんにも辛い思いをさせてしまった。
君が入院するのでお世話する人がいないから、
病院に入院してもらったけど、
淋しく辛かっただろうね。
僕も君のことに集中するあまり、義父さんの病院にはほとんど行けなかった。
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2013/12/18
入院の日まで
ベッドが空くまで待つ時間は、とても長く感じられた。
1日延びるとその分ガンが成長して君を蝕んで行く。
そんな恐怖感が僕を締め付けて行く。
君は僕以上に辛かったのだろうね。
でも、君は笑顔を絶やすことなく、日々を送っていた。
入院前日
入院の経験は僕にもあるから、
持って行く物をあれこれ準備しながら、
「これがあると意外に便利だよ」などと言っていたのかな。
思いのほか荷物が多くなったので、
キャスター付きの旅行カバンで持って行くことになったね。
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2013/12/15
健康診断はきらい
君は健康診断を嫌がっていたね。
ガンが見つかったら死ねばいいだけよって、言っていたけど
まさか本当にそんな自体が来るなんて思ってもみなかった。
だって、何の予兆も無く何処も悪くなかったのだからね。
再検査
再検査は僕が東京での研修に出ている日だった。
何度か電話してもつながらず、不安が駆け巡ったけれど
その不安は当たってしまった。
ガンは既に肝臓にまで転移していた。
一番辛い日だったと君は言っていたね。
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2013/12/12
告知の日
平成19年11月14日にちょっと行って来ると言って
検査に出かけた君。軽い気持ちでの検査だったのに。
検査を終えた君から信じられない言葉を聞いた。
ガンだった。
頭の中が真っ白になった。嘘であってほしい。
大腸がん
ガンは大腸がんだった。
下行結腸という、左脇腹あたりにあって、手術もそう難しくはないとの事だった。
精密検査をすることになったが、
ちょいちょいっと切れば済む事よって、君は意外とのんきに構えていたよね。
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