妻に捧げるレクイエム=25=
2014/02/22珈琲カップ
その旅先で偶然に立ち寄った窯元で、湯呑みを2個もらったね。
後日、その窯元の個展で珈琲カップを買い求めたけど
今では、特別の時だけ使っているよ。
君との思い出が詰まりすぎているカップだから
大事に使っているよ。
定期検診
抗がん剤を止めてからも
4週間ごとに外科と腫瘍内科の検査は続いていたね。
血液検査での腫瘍マーカーのチェックと対処療法だけ。
でも、僕は必ず君と一緒に検査の結果を聞いて
一緒にお昼ご飯を食べると決めたんだ。
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珈琲カップ
その旅先で偶然に立ち寄った窯元で、湯呑みを2個もらったね。
後日、その窯元の個展で珈琲カップを買い求めたけど
今では、特別の時だけ使っているよ。
君との思い出が詰まりすぎているカップだから
大事に使っているよ。
定期検診
抗がん剤を止めてからも
4週間ごとに外科と腫瘍内科の検査は続いていたね。
血液検査での腫瘍マーカーのチェックと対処療法だけ。
でも、僕は必ず君と一緒に検査の結果を聞いて
一緒にお昼ご飯を食べると決めたんだ。
いつも一緒に
春も過ぎる頃には、
髪の毛を除くとほとんど元の状態に戻っていた。
一緒にいろんな所に出掛けたね。
買物、食事、映画、カラオケと。
君と一緒の時間を何よりも大切にすると決めたんだ。
一人旅行
5月になると以前から行きたがっていた京都にも行ったね。
結婚して初めての君だけの旅行だった。
娘とも友だちともゆっくりとした時間が取れたと
君は言っていたね。
でもね、
一人で留守番している僕は、少し寂しかったたんだ。
抗がん剤よさらば
平成22年2月18日が最後の抗がん剤治療だったね。
肺と肝臓にガンがある以上は
死に向かって歩き出した日でもあったね。
でも何処かにホッとした気持ちがあったのも確かだった。
君はこの日から344日間を生き抜いた。
セカンドオピニオン
この頃に放射線治療の情報を得て
セカンドオピニオンとして熊本の放射線病院に行ったね。
長い時間待たされた後で、結局は君のガンには効果が期待出来ないと言われ
わずかな希望も消えてしまった。
菜の花が咲いていたね。
人は何時か死ぬ(独り言)
がん患者とその家族にとって一番辛いのは、迫り来る死との闘いです。
死ぬ事への恐怖や、生きる事へのこだわりが、心を暗くしていきます。
人は何時か死ぬんだ。
その思いに達して死を恐れない事が、ガンとの闘いに勝つ最後の手段でした。
そして、この場合の勝ちは、生きる事ではなく生き抜く事だと気づかされました。
生き抜く事と一言で言っても、現実には難しい事です。
何をすればいいのか、何が生き抜く事なのか、その答えは人それぞれに違います。
私は、妻の思いの通りに生きてみようと思いました。
私はサポートする事しか出来ませんから、
妻がしたい事、やってみたい事を援助するしかありません。
普通の生活をしたいという妻の切実な思いに応える事にしました。
その為には、これ以上抗がん剤による治療を続ける事は出来ないと思いました。
別の抗がん剤と言う選択肢もあったのですが、
全ての治療を止めて、普通の生活に戻る決心を妻はしたのだと思います。
美味しいものを食べて美味しいと感じたい、その思いが一番強かったようです。
今でも、この時に抗がん剤を止めた事を後悔していません。
その事は、この後に書き綴っていきますが、残りの日々を妻は精一杯生きてくれました。
何のために
この頃から抗がん剤治療を続けるかを迷い始めたと思うよ。
味のしない食事、触れただけで痛い指先、治らない口内炎。
ガンに負ける前に副作用に負けてしまいそう。
なんのために頑張っているのか判らないと
君は言ったね。
情報が少ない
抗がん剤を止めようとして、
その後の生き方の情報を集めていて驚いた。
助かった話しや民間療法の情報はあふれているのに
死に向かう事を選択する情報の少なさ。
そんな状況の中で、抗がん剤治療を止める決心をしたね。