2014/02/16
いつも一緒に
春も過ぎる頃には、
髪の毛を除くとほとんど元の状態に戻っていた。
一緒にいろんな所に出掛けたね。
買物、食事、映画、カラオケと。
君と一緒の時間を何よりも大切にすると決めたんだ。
一人旅行
5月になると以前から行きたがっていた京都にも行ったね。
結婚して初めての君だけの旅行だった。
娘とも友だちともゆっくりとした時間が取れたと
君は言っていたね。
でもね、
一人で留守番している僕は、少し寂しかったたんだ。
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2014/02/13
抗がん剤よさらば
平成22年2月18日が最後の抗がん剤治療だったね。
肺と肝臓にガンがある以上は
死に向かって歩き出した日でもあったね。
でも何処かにホッとした気持ちがあったのも確かだった。
君はこの日から344日間を生き抜いた。
セカンドオピニオン
この頃に放射線治療の情報を得て
セカンドオピニオンとして熊本の放射線病院に行ったね。
長い時間待たされた後で、結局は君のガンには効果が期待出来ないと言われ
わずかな希望も消えてしまった。
菜の花が咲いていたね。
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2014/02/10
人は何時か死ぬ(独り言)
がん患者とその家族にとって一番辛いのは、迫り来る死との闘いです。
死ぬ事への恐怖や、生きる事へのこだわりが、心を暗くしていきます。
人は何時か死ぬんだ。
その思いに達して死を恐れない事が、ガンとの闘いに勝つ最後の手段でした。
そして、この場合の勝ちは、生きる事ではなく生き抜く事だと気づかされました。
生き抜く事と一言で言っても、現実には難しい事です。
何をすればいいのか、何が生き抜く事なのか、その答えは人それぞれに違います。
私は、妻の思いの通りに生きてみようと思いました。
私はサポートする事しか出来ませんから、
妻がしたい事、やってみたい事を援助するしかありません。
普通の生活をしたいという妻の切実な思いに応える事にしました。
その為には、これ以上抗がん剤による治療を続ける事は出来ないと思いました。
別の抗がん剤と言う選択肢もあったのですが、
全ての治療を止めて、普通の生活に戻る決心を妻はしたのだと思います。
美味しいものを食べて美味しいと感じたい、その思いが一番強かったようです。
今でも、この時に抗がん剤を止めた事を後悔していません。
その事は、この後に書き綴っていきますが、残りの日々を妻は精一杯生きてくれました。
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2014/02/07
何のために
この頃から抗がん剤治療を続けるかを迷い始めたと思うよ。
味のしない食事、触れただけで痛い指先、治らない口内炎。
ガンに負ける前に副作用に負けてしまいそう。
なんのために頑張っているのか判らないと
君は言ったね。
情報が少ない
抗がん剤を止めようとして、
その後の生き方の情報を集めていて驚いた。
助かった話しや民間療法の情報はあふれているのに
死に向かう事を選択する情報の少なさ。
そんな状況の中で、抗がん剤治療を止める決心をしたね。
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2014/02/06
今月のりんどうの会定例サロンに付いてお知らせ。
2月19日 水曜日 午後7時〜です。
会場は、アイ・スクエアビルです。
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2014/02/04
副作用との闘い
投与の期間が長くなるにつれて、副作用は君に襲いかかってきた。
口内炎、手指の荒れ、脱毛。
一番君が苦しんだのは味覚障害だった。
臭覚は正常なのに、口に入れると味がしないという。
食事を怖がって栄養補助食品でまかなったね。
ある医師の言葉
君は別の病気でも以前から定期的に診察を受けていた。
そこの医師が君に言った言葉は、
「抗がん剤を続けて風邪を引いて死ぬか
抗がん剤を止めてガンで死ぬか
何時か人は死ぬんだよ
どっちが良いかよく考えてごらん」
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