りんどうの会~がん患者遺族の会・佐賀~

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2017年10月

2017

五周年記念講演から(第2回)

2017/10/06

第2回(体験談 YIさん)

(体験発表使用された要点筆記です)

 

*いろんなことに敏感になった部分がある

 例えば、悲しいニュースを見るのがとても辛くてテレビを見ることができない

 ひょんなことで耳にした言葉が、自分と夫との思い出に関わるものだったら、泣いてしまう

 夫が入院していた病院に、ずっと行くことができない

 食欲減退、お酒、リストカット、精神科

 やる気がでない、好きだった仕事を今はやめたい、

 落ち込みやすい

 すぐ引っ越して、色々捨てた

 実家の生活にいまだに慣れない、自分の家は白山

 

*多くの人が考えていることと、きっと違うだろうと思うことがよくある。

 例えば、健康で長生きをしたい?

 大人になっても夢や希望を持って生きたほうがいい?

 生きていればいいことがきっとある?

 人生、60歳で退職してからが面白い?

 おいしいものをたくさん食べると幸せ?

 

  • そのせいで、自分が人からどう思われているのかがとても気になって仕方ないし、話すのが怖くなってしまった。あまり話さない、人との接触を避けてしまう、そしてまた、「付き合いの悪い人だ」とか、「何を考えているのか分からない人だ」とか、思われているのではないかと、さらに気になってしまう。だからといって、この気持ちは自分ではどうすることもできなかった。遺族会で話すことで、随分楽になった。

 

 

五周年記念講演から(第1回)

2017/09/29

第1回(グリーフケアについて)

 グリーフケアは悲嘆回復と訳されます。言葉では言い尽くせない深い悲しみを経験した遺族が、その悲しみから回復していく過程のお手伝いをさせていただくのが、グリーフケアです。

 グリーフケアを行うための研修も開催されています。私も日本グリーフケア協会という団体でアドバイザー資格の勉強をして、認定は受けていますが、この資格がないとグリーフケアを行えないというものではありません。

 また、一般的にはグリーフケアはがん遺族に限ったことではなく、がん以外の病気や、事故、災害など、その原因となった出来事ごとにケアを行なっています。

 

 さて、りんどうの会を立ち上げたわけですが、会の名称を「りんどう」にしたのは、先ずはその花言葉です。「君の悲しみに寄り添う」という意味があります。九州では、九重・阿蘇地域でよく見受けられる花です。紫色の可憐な花は、まさに私たちが目指すグリーフケアのシンボルのように思えました。

 

 りんどうの会もそうですが、多くのグリーフケア・サロンはグループサロンという形をとっています。それは遺族の方々が車座になって、ご自分の悲しく辛い体験や、今現在の心境などを順番に話をしていくものです。

 

 会の運営は、最初の頃は一人一人が話す時間をある程度決めていましたが、会を重ねるごとにその日の話の内容などで長短も自ずと調整がついてきました。

 

 こういったグループサロンの経験のない方には、ただ単に自分の心境や悲しみの振返りを話すだけじゃないか、単なるおしゃべりの会じゃないか、と思われる方もいるかもしれません。ちょっと見た目にはそう写ってしまうのも確かですが、実はこの「話ができる環境」というものがとても大切なのです。

 

 同じ経験をした者の集まりだからこそ、「私の気持ちをわかってくれる」と言う安心感から、涙を流す事もできるのです。心を開いて話をすることもできるのです。話していて会員の方々の優しさが伝わってくるのです。自分の居場所があると感じるのです。現に、私自身がこの会にとても救われました。

 

 見た目にはわからないと思いますが、遺族の悲しみは日々異なります。なんでもない風景や言葉に過剰に反応して涙が出てきます。そんな時にこの会の中で話をさせていただく事で、心が落ち着いてくるのを感じていました。

 

 話の内容はその時々で変わり、これを言ってはいけないというものはありません。ただ、誰かが話をしている時には、私語は謹んでしっかりと話を聴いて、途中で口を挟まない。すなわち傾聴ということを実践していただきます。

 

 また、お互いの悲しみを比較したり、その心境に対して励ましや意見を言うこと、アドバイスや自分の体験を押し売りすることは遠慮してもらっています。

 

 また、必ず話さなければならないと言う事もありません。話したくない時、話すことがないときは、他の方の話を聴くだけでもいいのです。ここにいるだけで気持ちが落ち着くような場所を提供できることが、このサロンの大きな目的です。遺族の居場所であることが大切なことなのです。

 

 この5年間りんどうの会を続けてきたことで感じたことですが、がん遺族の方々の悲しみや苦しみには特徴があります。特筆すべき特徴としては「生き残ったことに対する申し訳なさ」や、「故人に対してもっとしてあげられることがあったのではという後悔の念」が挙げられます。

 

 自分だけが生き残ったことは、裏返せば「どうして私を残して逝ってしまったのか」という亡くなった人への思いです。自分も一緒に死んでしまいたかったとまで思い込む人もいます。生き残ることの辛さをひしひしと感じるものです。

 

 それは、現実的には、明日からの生活に対する経済的な不安もあります。ハンカチの場所さえわからないなど身の回りのことに対する不安もあります。残されたことの悲しさだけでなく、そのようなことまでが降りかかってきます。

 

 また、病名が分かってから、その時が来るまで1日1日命の炎が消えるまでを見続ける辛さ。交代してあげることができない現実、場合によっては患者さんよりも病気に多くの情報を聞かされている現実がそこにあります。

 

 後悔の念とは、闘病中に本当に患者に寄り添うことができていたのか、患者の希望に沿うことができたのか、もっと他にも出来ることがあったのではないのかという思いです。おそらく間違いなくその時その時々に精一杯のことをしてきたのだと思います。それでもやはりどこか納得できない自分がいます。もっとしてあげれたことがあったと思い続けるのです。

 そういう思いを引きずりながら遺族は生きています。

 

 また、周りの人の励ましの言葉が返って心を苦しめたり、何気ない一言で傷ついてしまうことも多くの方が語られています。

 お電話でお話した方は、親戚や友人が気遣ってくれてよく尋ねてきてくれるが、彼らの励ましの言葉は明るすぎて眩しいだけ、そっと一人にしていて欲しいと言われていました。

 

 また、必死の思いで明るくしていると、「もう元気になったのね」と言われて、家に帰ってきて大泣きしました、というお話もありました。

 よく耳にするのは、頑張ってねと言われるのが一番辛いということです。悲しくて辛くて必死に頑張っているのに、これ以上何を頑張らねばならないの、もう頑張れない。励まそうと思ってかけられる言葉が、遺族の心を傷つけていることは多くあるものです。

 

 だからこそ、このような遺族の思いに寄り添うには、やはり同じような体験をした遺族が集うサロンはとてもいい効果が出せるものと思っています。

 頑張らなくていいよ、泣きたい時は涙を流しましょうよといってもらったときに、安心感が広がったものです。

 

 グリーフケア・サロンりんどうの会とはこの様な会です。一人でも多くの方に参加していただきたいのですが、ここに来るまでには大きなハードルがあるようです。

 

 これまでにも多くの方々から入会についてお問い合わせいただき、資料を差し上げたりしてきましたが、どうしてもサロンの扉をノックする勇気が出ないと言う声を聞いています。これは私たちりんどうの会だけではなく、他のグリーフケアの方々にも共通の話です。

 

 本当に自分の悲しみが癒されるのであろうかと言う不安に加えて、どのような方々が会員としているのだろうか、宗教的な勧誘や高いもの、例えばツボのようなものを買わされるのではないだろうかと言う不安もあるように聞いています。

 今でも、遺族として悲しみの中でもがき苦しんでいる方がいます。出口を探そうとして模索している人がいます。そう言った方々に、先ずはこのようなサロンがあることを知っていただきたいと思います。そして扉をノックする勇気の後押しをしていただきたいと思います。

 

 いつの日か笑顔が戻ります。いつの日かしっかりと前を向くことができます。でも、それは故人を忘れたと言うことではありません。悲しみを忘れたと言うことでもありません。自分の心の中に故人や悲しみの居場所ができたということです。

 その人を忘れることは決してありません、いつでも、今でも私たちの心に寄り添っています。

 

 これからも、りんどうの会は一人でも多くのがん遺族の方に寄り添っていきたいと思います。

いよいよ明日

2017/09/01

りんどうの会五周年記念講演がいよいよ明日になりました

起草からの時間を思い起こせば、2年近くの時間が流れました

よくぞここまで来たという思いです

おかげさまで、事前申込を35名ほどいただきました

残念なことは、マスコミが振り向いてくれなかったことです

2社がイベント紹介をしてくれただけでした

だからこそ、明日の講演会は中身の濃いものにしたいです

がんによる死別は、これからも多くの方が経験することです

遺族となった方々の心のケアの必要性は大きくなっていきます

そう言った方々のためにも、りんどうの会は地道に前に進んでいきます。

9月2日に向けて

2017/08/14

9月2日の講演会に向けての準備が進んでいます

りんどうの会発足五周年を記念しての講演会です

会員の皆さんからの体験談も発表していただきます

一人5分程度なのですが7名の方が発表されます

とても貴重な体験談を聞くことができると思います

私も体験談を含めてりんどうの会のご案内と

活動を通して見てきたグリーフケアについてもお話します

いつもは原稿を書かないのですが、今回だけはしっかりと原稿を書いています

棒読みにならないようにしっかりと努めたいと思います

 

今日のりんどうの会は(7・1)

2017/07/01

今日は、自宅でのりんどうの会サロン
前回、お休みだった方もいて
主な話は、9月2日に行われる講演会についてです
 
ご案内のチラシのデザインの最終稿に入っています
出来上がり次第に、このページでもご案内します
グリーフケアをお考えの方、医療関係者の方々など
多くの方々にご参加をいただきたいと思っています
 
現在決まっていることは
開催日 9月2日土曜日13時〜
場所  佐賀商工ビル(市民活動プラザ)4階会議室
入場料 無料
 
特別講師 好生館緩和ケア部長小杉先生
テーマは「暮らしの中で生と死を考える」
りんどうの会会員による体験談
そして、グリーフケアについてお話をします
 
クラリネット・アンサンブルの方々による
音楽演奏も予定していますし
講演会終了後に交流会も予定しています
 
多くの方々のご参加をお待ちします

家族(遺族)の思い

2017/06/23
小林麻央さんの逝去と
海老蔵さんの記者会見をみて
 
海老蔵さんの今の心の中が痛いほど響いて来ます
あの頃の自分の思いとつい重ねてしまいます
同じ経験をした方も同じ想いだと思います
 
入院中、あるいは闘病中には
たとえ一緒にいない時間であっても
生きているというただそれだけでよかった
自宅には自分一人であっても、病院で妻は生きている
その思いだけで心が落ち着いていました
 
しかし、その時を迎えた時
心を支えていた何かが崩れ去っていきます
それでも、お通夜・葬儀と進む中
言葉は発しませんが、遺体がそこにあるだけでも
どこか気持ちが違っていたものです
 
見送りの一連の行事が進む間は
一つ一つの対応と時間に追われていて
振り返る時間は少ないのですが
全てが終わって、一人家の中に残された時に
言いようのない寂しさが一気に押し寄せて来ます
 
がん経験者の方は、ご自分の命との戦いでしょうが
その家族は、代わってあげることのできない焦燥感と
失った後に「もっと何かできることがあったのでは」という
後悔の念に苛まされます
 
生き残ることの辛さが全身を包みます
海老蔵さんをそっと見守っていきたいと思います

定例サロンを自宅で開催

2017/04/01

初の試みとして、定例サロンを代表者の自宅で開催しました
天候も良かったので、部屋を飛び出して、ウッドデッキでのサロンになりました
ちょうど桜も4〜5部咲きでしたので
桜を見ながらのサロンとなりました
 
今日は、メジロやムクドリをはじめとして、4〜5種類の鳥が
梅の木や桜の木に来ていました
サロンの時間も通常の倍の長さ、3時間があっという間に過ぎました
  
会場を提供した方としても、やりやすくこれからも第1土曜日の午後の開催は自宅で行うこととします
 
5月の第1土曜日は6日連休の真っ只中ですが
参加者が多ければ、ちょっと工夫をしたいと思います
 
 

緩和ケアと薬剤師

2017/02/22

午前中に

第一薬科大学の学生さん2名と講師の先生が佐賀にお見えになりました。

話の内容は、

緩和ケアにおける薬剤師へのニーズについてのアンケートについての意見交換でした

若い学生さん達の熱心な態度は、医療現場に向けての意気込みが感じられて

良い時間を過ごしました

 

 

鹿児島遺族会「ほんわか」に参加して

2017/02/10
昨日(2月9日)に鹿児島の遺族会「ほんわか」に参加しました。
がんサポートかごしまが主催する遺族会で
基本的には、毎月第2木曜日に、鹿児島の県民保健センター(下伊敷)の会議室で開催されています。
この日は、大村共立病院の遠山啓亮医師(精神科医)が見学参加されていました
この日の参加者は、男性4名、女性5名の9名
とってもいい雰囲気の中で会が進められました
 
私も自分の経験に基づいた話をさせていただきました
悲しみから逃げるために、毎晩溺れるほどにお酒を飲んだこと
抗がん剤を辞めた時の思いなどなど
  
その中で、出た言葉の中に
「当たり前の日常を過ごせることが一番幸せ」という話がありました
本当にそう思います。
特別な料理がなくても、旅行に行けなくても
家族と一緒に過ごす時間が、どんなに贅沢な時間なのか
遺族になって初めてわかる事かもしれません
 
「日常の生活の中にある幸せ」

今日のサロンから

2017/02/04
がん患者の方々が本当は一番辛い気持ちだと思います
でも寄り添う家族の気持ちもまた辛いものです
 
そして、遺族となった今でも、その辛い気持ちは消えるものではありません

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