りんどうの会~がん患者遺族の会・佐賀~

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五周年記念講演から(第5回)

2017/10/21

第5回 (体験談 MAさん)

 

 皆さま、こんにちは。私は十三年前に当時四十五歳だった妻を、滑膜肉腫という筋肉にできるがんで亡くしました。私が四十七歳、一人息子が中学一年生の時でした。

 この会には設立当初から参加させていただいています。もう亡くなって8年経っていましたので、当初のつらさは薄らいできていたものの、つらいことには変わらず、この会に参加することで、もう一度自分の気持ちを整理してみよう、また自分の経験を他の人に伝え、役立ててもらえるならという思いからでした。もちろん亡くなった当初もこういう会があったらと思っていました。

 まず、当初のつらさについてお話してみたいと思います。やはり後悔ということです。妻の命を救うことができなかった、あの時ああすればよかった、など。最初混乱しているときは病院のせいだと考えた時もありましたが、冷静になってみると、もちろんそういうことではありません。

 それから、孤独ということ。これから何十年か一緒にいると思っていた人がいなくなってしまう、よく心にぽっかりと穴が開くとい

いますが、まさしくその通りの気持ちでした。私の場合両親と息子がいましたので、ふだんは話す相手もいましたが、それでもテレビでみるような、パートナーがいる時と同じように話しかけようとして、いなくなったことに気付き、寂しさを感じてしまうこともありました。また、妻の夢をみることもあったのですが、私は夢の中で、亡くなったことが夢だったと思い、その瞬間大きな安堵感を覚えたことを思い出します。やはり、大きなプレッシャーを感じていたんだと思います。

 このようなさまざまな苦しみ、悲しみを感じながら、日々を過ごしてきた私ですが、その中で支えとなったのは、亡くなる数日前に妻が言ってくれた私への感謝の言葉です。すでに脳への転移のため、言葉がうまく聞きとれませんでしたが、その日泊りで看病していた私に感謝の言葉ははっきり聞き取ることができました。生前から私のピンチの時に助けてくれた妻でしたが、自分の体が大変なのに

私へみせてくれた気遣いに、今思い出しても頭が下がります。なお今年は息子が素敵なパートナーをみつけ、今月入籍という嬉しい知らせを妻に届けることができました。

 この会に参加して、会員の皆さんとそれこそ共に泣き、笑ってきました。共通する体験も多く、人間の心の不思議さも感じます。また、同じ体験をしている者同士ということから、不思議な体験など知人にも言えないことも話すことができました。まだ少しの一歩ですが前に進むことができたと感じています。

今 苦しみの中におられる方にはぜひ一度この会に参加してみられることをお勧めしたいと思います。

 ご清聴ありがとうございました。

 

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